税務調査種類について
一言に税務調査といっても、いくつか種類があります。映画などで話題になったマルサという言葉、これは「国税犯罪取締役法」という法律にのっとて行われる、「強制調査」といわれるものです。まだ税務調査を受けていない方は、税務調査というとこのことを思い出してしまいませんか?しかし、これはすごく悪質な脱税を行っている人物や会社に対する犯罪調査となり、一般的な調査とは異なります。ここではそういった税務調査の種類について解説していきたいと思います。
税務調査には大きく分けて2つの調査があります。
強制調査
強制調査は「マルサ」と言われている調査です。悪質な脱税者に対して、裁判所が令状を発行し、国税局査察部が強制的に書類や証拠物件などを押収する調査です。テレビで見たことがたまに見かける、大勢の人が会社に入っていきダンボールを何箱も押収している調査のことです。
任意調査
任意調査とは通常行われる税務調査です。任意という言葉使われていますが、調査に対して故意に応じなかったり、妨害行為を行うと罰せられますので注意してください。さらに任意調査から2つに分かれます。それが「準備調査」と「実地調査」になります。
準備調査
実地調査の準備を行うのが準備調査にです。この調査は税務調査の対象となる企業の問題や重点的に調査しなければならない部分の判断を行い、実地調査に踏み切るかどうかを決定する調査です。
準備調査には「机上調査」といわれる決算書類等の調査を税務署内で行い、必要であれば「外観調査」といわれる、調査対象の店舗に訪問し、実地調査を行う際に裏づけとなる、証拠を取る調査です。
実地調査
実地調査は実際に税務調査対象の企業に訪問をして、さまざまな帳簿や資料のチェックを行います。この実地調査が一般的に企業で言われる税務調査です。この実地調査にもいくつか種類があり、どのような実地調査になるかは、準備調査のさまざまな項目チェックによって決められています。
一般調査・・・税務署へ申告した申告書が正しく申告されているかなど、帳簿等の資料を重点的調べる調査。
現況調査・・・ある日突然、連絡がない状態で訪れる調査です。この調査は文字通り現況を調査する目的なので、連絡すると証拠類を隠してしまいそう調査対象に実施されます。基本的に日程の変更などは難しいです。
反面調査・・・帳簿等に不備が多く十分な結果が得られない場合や、備えて置かなければならない帳簿がなかったり、提示しない場合に取引先や銀行を調査することです。
特別調査・特殊調査・・・一般調査では不十分と判断され、脱税の疑いが強い場合に実施されます。この場合も事前に連絡なしでいきなり訪問されます。また調査期間もある程度長くなります。特殊調査は単独の調査では判断できない場合にグループ企業などを対象として行われる調査です。